<ライフ・ダイジェスト・序

「ライフ・ダイジェスト」序


 人生をいかに要約するか。これが、当ホームページの目的です。
 ここで頼りにするのは、編者好みの文学者、批評家、及び芸能人達の名言集。各分野の人生の達人が、自らの人生をいかにダイジェストしたか、をいささかの偏見を交えつつ陳列します。
 その一例として、わが国の優れた批評家達が人生をいかに要約したかを見れば、次の通り――先ず、批評の神様・小林秀雄は「人生とは…日本である」と言い、そのしたたかな弟子・中村光夫は「人生とは…青春である」と言い、そして、終始小林をライバル視した後輩・福田恆存は「人生とは…劇である」と言いました(と思う)。  しかし、こう羅列してみても各発言者達の真意を汲み取るのは、なかなか困難。やはり、その発言の背景・各批評家達の思想を知らないと、折角の名言も死物と化するでしょう。
 そこで編者流の解釈を加えて、和洋の名言・人生法則集をアイウエオ順に並べたのが当ホームページです。各発言者の思想に言及できた という自信はあまり有りませんが、編者が各々の発言を人生要約の一助とみなした理由は御納得頂けると思います
 そして、このカタログが編者のみならず、閲覧者の方々の人生のヒントになれば、編者の喜び、これに優るものは有りません。



【凡例】
(鉄斎の絵扇を観る小林秀雄)

小林秀雄の法則

(発見者:小林秀雄) ←@当法則の発言・発見者

人生とは…日本である。

 ←A人生を鮮かに要約した名言・法則

[解釈] 小林秀雄は我が国初の‘文化勲章受賞’批評家。教祖(坂口安吾)、粋人(井伏鱒ニ)、無私の人(今日出海 )といった呼称に見る如く、その影響力は巨大。当法則は、その膨大な著作から編者が勝手に思い付いたもの。偉大な批評家はその生国の伝 統を重んずるばかりに、ついには右翼的(!)になる、という信念が編者にはある。 ←Bこの法則の背景・発言者の経 歴などを説明

[注] この他、川端康成『美しい日本の私』に見られる日本回帰の思想、保田輿重郎『日 本の橋』に見られる日本情緒の礼讚、江藤淳『海は蘇る』に見られる近代日本ヘの追慕等、これは、という文学者は大体が右翼的であると も言えよう。変ったところでは、林房雄の右翼転向も入れておきたい。 ←C解釈の補足・参照項目の紹介