快適生活の法則 (発見者:坂村健) 快適な生活をおくるためには、@日常使うものに金を使い、A基本に忠実で、B見栄をはらずに、Cこまめであること、が重要である。 [解釈] かつてコンピューター共通言語運動(名付けて「トロン」という)を提唱。雌伏10年、今また再び脚光を浴びている坂村氏の、電脳生活法。 [注] コンピューター関連の法則としては、他にドイツの学者が提唱した「コンピューター影の法則」というのが有効。以下、その代表的な法則を二つほど。
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患者の法則 (発見者:高柳和江) 賢い患者になるためには、@‘痛み・病気・死への恐怖’の正体を見極めること、A‘信頼できる病院・医者・医療情報’を探し出すこと、が肝要である。 [解釈] 高柳氏は、クウェートで10年間児童医療に尽くして最優秀医師に選ばれ、帰国後は‘高齢者の尊厳ある生き方’運動の先頭に立つ気鋭の女性医師。その「死に方のコツ」の論旨は明快で、多くの悩める患者達の福音となっている。 @‘痛みへの恐怖’を克服するには、それが感覚点への刺激(例えば「癌」は内臓をツネラレた痛みである)であることを理解し、精神的緊張が痛みを倍加させること、を知るべきである。その意味で「腹式呼吸」は、気持ちをリラックスさせると共に、新鮮な空気を細胞に送る、という二重の鎮痛作用がある、とされる。さらに病人を独りで苦しませず、マッサージや耳への囁きによって、孤独から解放することも有効な介護方法となる、と言う。 以上「病人」という己を知った後は、お世話になるA‘医者・病院’を知る必要が有る。先ず医者は「死は医療の敗北」と思うことから患者を簡単には死なせたくない、と考えがちであること、また保険点数制度から2週間以上の入院は病院にとって儲からないこと、も知っておきたい。こうしたことからも、色々な医療機関・医師を比較考量する「セカンドオピニオン」の大切さが解るであろう。 |
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奇跡のスウィングの法則 (発見者:F&T.シューメイカー) “スウィングを信じて、レット・イット・ゴー” [解釈] 著者はさほど有名でないアメリカのレッスン・プロ。しかし、その指導法は、世界各国にスクールを開設するほどの人気であるそうな。
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逆転の法則 (発見者:川北義則) 意志と想像が争えば勝つのは常に想像である。 [解釈] 人は恐れることを避けようとすればするほどそれに近づいていく、
という悲しい性癖が有る。これを発見したのはエミール・クーエという心理学者。即ち、想像は意志を屈服させ(何と、
想像の強さは意志の二乗に比例するそうな)物事は恐れた方へと転がっていく。例えば‘あがるまい’と思えば思うほど、
その意志よりも、あがっている自分を想像して、反って悪い結果を招くのである。これを称して「努力逆転の法則」と言う。その対処法は、‘あがるまい’という意志を捨て‘あがったけれどうまくいった自分’を想像をしてしまうこと。何よりも、良き想像力を羽ばたかせよ、という教えである。
そしてこの‘不完全主義’のバリエーションとして、
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恐怖の法則 (発見者:中沢新一) 妖怪に出会ったときの総毛立つ感覚は、釣りの感覚に近い。 [解釈] 宗教学者・中沢氏の、杉浦日向子氏との「怪談」についての対話での発言。 へら鮒釣りで‘ずーっと糸を垂れてると手先にビクッとくる’感じ、即ち理解不能の生命(ここでは、へら鮒)と細い糸でつながってしまったという総毛立つ感覚が、恐怖感なのだ、と喝破している。相手の杉浦が言う「生きていたときには分かる人でも、死んでしまった後は、全然ちがう人格というか幽格に(笑)なる」という感じも納得。もはや理解不能となった肉親と出会う、というのは確かにコワイ。 SF作家・梶尾真治 「理不尽な形で、あるいは超自然的な形で、日常的生活、行動、常識が覆されること」 かくて怪談は、人間の根源的な情動の表現として、語り継がれて行くこととなる。即ち、文豪・佐藤春夫の次の一句―――「文学の極意は怪談である」ということ。 |
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クモの巣構造の法則 (発見者:M.ガンサー) クモが昆虫を捕らえるために糸を張りめぐらす如く、友人との付き合いを広げる労苦を厭わねば、幸運が舞い込んでくる。 [解釈] 20年以上にわたって1000人もの人々にインタビューした結果、「運」の秘密を発見したと豪語する著者が、自信を持ってお勧めする法則。 |
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(このコーナーは「人生法則」と直接関係はありませんが、編者好みのクラシック作曲家を羅列してみました。癒し系音楽が多いので、当ホームページを読むのに疲れた方にお薦めします。併せて、偉大なる作曲家達の、美しい旋律の陰に隠れた意外な人生にもご注目を。) ◆Bach,Johan Sebastian(バッハ、J.セバスチャン)1685-1750ドイツ 音楽、子供(20人!)で共に多産の人。イギリスの巡回ニセ医者のため、晩年失明。ヘンデルも同じ被害にあったとされる。卒中のため死去、享年 65才。
◆Brahms,Johanees(ブラームス、ヨハネス)1833-1897 ドイツ かつてF.サガンは「ブラームスはお好き?」と尋ねたが、以前であれば「それほどでも」と答えたかもしれない(音楽評論家でも宇野功邦あたりは「ネクラ!」と断じている)。しかし最近は、悠長なテンポ、シンフォニックな分厚さ等、そのどれもが好ましい。愛するクララ・シューマンとついに結婚せず、晩年は、ウィーンの偏屈者として、行きつけのレストランで黙々と食事をしては自分の下宿に独り帰った、と言う。その、人生の疲労と孤独を歌う旋律が、後世の我々の孤独を癒してくれる。
◆Gustav Mahler(マーラー、グスタフ)1860-1911 オーストリア 世紀末風潮の代弁者と言われるユダヤ系作曲家。ウィーンという文化爛熟の都会にあって、19世紀の沈み行く太陽を看取った時代の子、である。その交響曲『巨人』『復活』などが、雁行する哲学者・ニーチェを意識して書かれたというのも、あながち無理な連想では無かろう。故に、その全音楽の主調低音は‘死’となり、歌曲『亡き子をしのぶ歌』が、3年後の娘の死を予言していた、という伝説を産むことにもなる (当時、マーラーは結婚もしていなかったので、この説は些か無理)。 交響曲第4番のフルートの旋律、「大地の歌」の漢詩テーマなど、中国的エキゾティズムが横溢しているのも、我々東洋人には馴染みやすい。
◆Robert Shumann(シューマン、ロベルト)1810-1856 ドイツ 愛妻・クララ・シューマンとの熱愛で有名。優雅で荘重な物腰と当代稀に見る知性により、ドイツ・ロマン主義運動の推進者となった。晩年、強度の鬱病と分裂症のためライン河へ投身自殺を図り、一命はとりとめたものの精神病院に入院。病床では、ブラームスから贈られた大きな地図からABC順に都市や国の名前を書き連ねていた、と言う。謙虚で聡明な知性が苦しみの果てに辿り着いたものがこの「大きな地図」であるとすると、人生にとって苦しみと癒しとは何か、といった問題に突き当たる。入院後2年で死去、享年46歳。
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コダワリ放下の法則 (発見者:坂東眞砂子) 他人(および自分)へのコダワリを捨てることが、自立への道である。 [解釈] ジャパネスク・ホラーの新女王・坂東眞砂子の、人間関係論の要諦。その対人関係についての坂東の覚悟は、中期の傑作『桃色浄土』に登場する裏ヒロイン・さね婆さんの述懐で明らかにされる。 「さねは、いつも誰かにしがみついてばかりいた。最初は夫。夫が死んだら、息子に。息子が死んでからは、珊瑚(莫大な財宝の象徴)や英俊(さねの情人)にすら、しがみつこうとした。そのまま死んでいたら、きっと生きていた自分にしがみついただろう。」 そして‘もう誰かにしがみつくのはこりごり’と思い定めた時さね(と作者)は、空の青さに似た安心立命の境地、に至るのである。後掲「80対20の法則」に見られる、‘20%の自己放棄’に一脈通ずる潔さ、と言って良いだろう。(またこの境地が、仏教の世界でお馴染みと見れば、後掲「なん・まん・だぶの法則」も参考となろう。) [注] ここに至るまでの作者の心理的足跡を辿れば――
そして、他人の視線、異界の絶対者への依存をやめ、情人の確執や肉親への盲愛を乗り越え、さらには自分へのコダワリも放下することにより(月見が浦に訪れた、嵐の後の青空の如き)心の平安を得ることができる、と作者は言う。まさにモラリスト(だと思う)坂東眞砂子の、面目躍如たる信念。 |
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岸本葉子の「希望と受容」の法則 (発見者:岸本葉子) (がん治療にあたっては)あきらめずに完治を目指すこと(「希望」)と、治らないのを前提に生き方を再構築すること(「受容」)、この二つのバランスを取ることを心がけたい。 [解釈] 岸本葉子女史は、旅行記、身辺雑記を中心にフツーの女性の考え方を綴る人気のエッセイスト。その清楚な風貌と、意外に男性的な考え方(阿川佐和子氏評)が、矛盾なくひとつの人間の中に同居しているところが魅力的な才媛である。 |
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「心のブレーキの外し方」の法則 (発見者:石井裕之) 「心のブレーキを外す」には、“スタートをできるだけ丁寧にゆっくりやること”を心がける。
[解釈] 石井氏は、『ビジネス・コーリドリーディング』、『心のブレーキの外し方』などのベストセラーで有名なカリスマ(!)・セラピスト。「奇跡体験『アンビリバボー 』」、「ビーバップ・ハイヒール」などTV出演も多数で、その風貌は、セラピストというより若手マジシャンといった雰囲気。うるさ型のハイ・ヒール二人組みが、その“マジシャン”の心理的なマジックにひたすら驚いていたのが印象的だった(相手と同じ動作をして親近感を持たせる「鏡像のテクニック」、質問への回答傾向から人間をYES型とNO型に分類する「YとN理論」など、視聴者も納得の論理展開が鮮やか。なお、この「鏡像のテクニック」は、後掲「『心理操作』の法則」の「類似性効果」にも通ずる)。
編者も思わず惹きこまれ、最新著作「人生を変える!『心のブレーキ』の外し方」を早速購入。その考え方の基になるのが、独特の「潜在意識」理論であることを発見した。
[注] 本書には上記のほか、「潜在意識」にまつわる興味深い法則がいくつか。 |
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「『困った人たち』とのつきあい方」の法則 (発見者:R.M.ブラムソン) 「攻撃的な困った人」には、「慎重に相手の注意を引き(名前を呼ぶ等)、正面衝突を避けつつ(「それはそうですが…」といった表現)、自らの意見を迫力をもって述べること、が重要である。
[解釈] 著者ブラムソン(1998年没)は、HP、IBM、バンク・オブ・アメリカ等、多くの大企業の顧問を務めたアメリカの著名コンサルタント。その著書「『困ったひとたち』とのつきあい方」は、組織の中の“困った人たち”への対処法を具体的に説明して、発行部数300万部のベストセラーとなった、という。つまりそれだけ、会社や団体、さらには家庭でも、そのテの“困った人たち”がいるってことなんでしょうナ。 [注] この本には、
他の“困った人たち”として、「不平家型」、「貝型」、「過剰同調型」、「否定型」、「自信過剰型」、
「優柔不断型」といったタイプへの興味深い対処法も満載。そして、それら全ての“困った人たち”への
共通の心構えとして著者が掲げるのが、次の2点である。 |
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「キッパリ!」の法則 (発見者:上大岡トメ) 「一日10回『ありがとう』と言えば、心が温まる。
[解釈] 上大岡トメ
さんは、山口県在住の主婦兼イラストレーター。上記法則は、そのベストセラー『キッパリ!』という自己啓発本からの一節である。 この本には全部で60の
「たった5分間で自分を変える方法」があげられているが、そのうち著者の姿勢をよく表しているのが、この言葉だと思う。すなわち、
いろいろな人、ものに「ありがとう」
と言うことによって「心が温まる」
ということ。前掲「『心のブレーキの外し方』の法則」の“ハッタリが本物になっていく”に相通ずる(ただしこちらは「ハッタリ」というより「感謝の気持」だが)信念である。 |
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「芸術言語論」の法則 (発見者:吉本隆明)
[解釈] 齢(よわい)84歳の
吉本隆明氏が、「どうしても、 これまでの仕事をひとつにつなぐ話をしたい」として、最近の対談相手糸井重里氏に協力を依頼し、講演会を開催した(2008年7月19日。 後にNHKでその模様を放映)。そのときの講演の結論というべきものが、上に掲げた一節である。我が国思想界の巨人が、戦後60年紡いできた思考の到達点と見れば、感慨深いものがある。
さらにこうした文学の特質について、 我が国で初めて自覚的に取り組んだのが横光利一(!)であり、その功績はかのドストエフスキーに匹敵する、とさえ言うのである。この指摘は正直意外だったが、横光が、大衆文学と純文学の統合を目指したことを評価するなら、納得できる視点であろう。
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「芸術論」の法則 (発見者:小林秀雄、吉野秀雄他) 立派な芸術は必ず何らかの形式で素晴らしい肉感性を持っている。
[解釈] 一口に「芸術論」といっても、それだけで斯界の権威(例えば、仏哲学界の泰斗アラン等)が一冊の本をものすほどに大きなテーマである。それも、“純粋芸術“や“実相観入“といった実人生と芸術の関係、といったところに踏み込んでいくと、収拾がつかなくなるのは必至。
[注] さらに極論すれば、芸術とは、人が等しく逃れられぬ「死」についての考察、と言うこともできよう。 「死があるから、芸術がある」(早逝したSF作家。伊藤計劃)。 「神の存在が信じられなくなれば、人間に残されたものは芸術しかない」(F.キアンブール『この世の涯てまで、よろしく』) こういった言葉を待たずとも、現代文学の傑作群は「死」との関係から、その比類のない力を汲み上げている(『やし酒飲み』解説・菅啓次郎)。文体や題材も様々ながら、チュツオーラの『やし酒飲み』やカフカの『変身』、ルルフォの『ペドロ・パラモ』、 そしてフォークナーの『死の床に横たわりて』等、全てが末期のイメージを基に“ストレンジな小宇宙”(同)が紡ぎ出されているのである。 |
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ゴダードの「過去の因縁」の法則 (発見者:R.ゴダード) 事件は、遠い過去の因縁が現在に復讐することによって惹き起こされる。 [解釈] ロバート・ゴダードは、 “稀代の語り部”と称されるケンブリッジ出のミステリ作家。その謎の骨格は、遠い過去の因縁が現在に復讐するという体裁をとる。 こう言うと、だいたい全てのミステリがそうではないか、と叱られそうだが、ゴダードの場合、自らが歴史専攻だったせいか、 英国史上の有名な出来事(例えば、南ア戦争、南海泡沫事件など)を隠し味にするのが特徴である。 因みに、このスキーム(“失われた過去が現在に蘇る”)がゴダード作品の基本的構造である、と喝破したのは、 かの養老猛司(氏は知る人ぞ知るミステリ通デス)。
[注] ゴダード・ミステリーの秀作として世評高いのは、『リオノーラの肖像』(1988年)、『蒼穹のかなたへ』(1990年。個人的にはこれがベスト1)それに処女作 『千尋(ちいろ)の闇』の3作あたりか。 加うるに、オビの文句―“過去から蘇った婚約者は不安なまでに完璧だった”(上巻) そして“暗黒の中で邪悪な絵筆を走らせたのはだれか?”(下巻)―が絶品の『闇に浮かぶ絵』(1989年)もご推薦。英国犯罪史上名高い「ティチボーン訴訟事件」(1854年、太平洋上で遭難した筈の準男爵ロジャー・ティチボーンが、実は生きていたとして名乗り出た事件)を題材に、複雑な血の繋がりが悲劇を生む、というゴダード一流の世界が展開する。なによりも“暗黒の中で邪悪な絵筆を走らせた”人物の造型が見事。ここでゴダード・ミステリの特徴は、“過去が現在に復讐する”というより、もっと直截に“死してなお邪悪な精神が、生者たちを悲劇に追い込む”パターンなのだ、と言い換えることもできよう。 ゴダード作品では、“悪こそが輝く”。 |
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